
ジャムの砂糖の割合はなぜ大切なのか
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ジャムを作るとき、砂糖の量は「甘さの調整」だけではありません。保存性、色、テクスチャー、そして果物の風味の出方すべてに関わります。工房を始めた2003年当初、砂糖の割合を変えるたびに仕上がりが大きく変わることに気づき、それ以来ずっと果物ごとに割合を変えています。
砂糖が果物に何をするか
砂糖は果物の細胞から水分を引き出し、ペクチンと結びついてゲル状の構造を作ります。この構造がジャムの「とろみ」の正体です。砂糖が少なすぎるとゲルが弱くなり、さらさらとしたソース状になります。多すぎると固くなりすぎ、果物の風味が砂糖の甘さに埋もれます。
保存性の観点では、糖度が高いほど微生物が繁殖しにくくなります。一般的に糖度65%以上で常温保存が可能とされていますが、工房では開封後の冷蔵保存を前提に、糖度をやや低めに設定しています。
果物ごとに割合を変える理由
イチゴとアンズでは、同じ砂糖の割合でも仕上がりがまったく異なります。イチゴは水分が多く、ペクチン含量が低いため、砂糖45%でも十分なとろみが出ます。アンズは皮にペクチンが多く含まれているため、砂糖40%でもしっかりとしたゲルになります。
ユズマーマレードは皮を使うため、砂糖の割合を上げないと苦みが前に出すぎます。工房では果物重量の50%を基準にしています。リンゴは果肉のペクチン量が多く、砂糖を控えめにしても形が崩れにくいため、シナモンとの組み合わせでも砂糖は45%程度に抑えています。
砂糖を減らすときに気をつけること
砂糖を減らすと保存期間が短くなります。工房では砂糖40〜55%の範囲で仕込んでいますが、この場合は開封後2〜3週間以内に使い切ることをお願いしています。
また、砂糖を減らすと色が変わりやすくなります。特にイチゴは砂糖が少ないと赤みが褪せやすいため、レモン果汁を加えてpHを下げることで色を安定させています。砂糖の量を変えるときは、レモン果汁の量も同時に調整する必要があります。
砂糖の割合に正解はなく、果物の状態と目指す仕上がりによって毎年微調整しています。今季の仕込みについては今季の品揃えのページでご確認ください。
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